カフェやレストランなど飲食店を開くには?必要な資格など

定年後に飲食店を開業する、脱サラしてカフェやレストランを始めるためにはどんな手続き、資格が必要でしょうか?物件を探したり、保健所や消防署に届け出たりとオープンまでは大忙し。
キッチン

どんなお店にしたいのか?

お店のテイスト
飲食店を始めたいと思っているなら、お店のコンセプトはすでに決まっていると思います。どんな料理をどのくらいの価格でどんな人に提供するのか。お店の雰囲気はどんな感じなのか。お酒はどうするのか。
コンセプトにあった物件を探す必要があります。場合によっては、みつけた物件に合わせてコンセプトを変更することもあるでしょう。
ネーミングも大切です。他者の商標に注意しつつ、イメージに合った店名を考えましょう。

資金は用意できるのか?

たくさんのお金
物件を借りるため、家賃、保証金、不動産仲介手数料、内装工事などのお金が必要です。広告費用や運転資金なども。
自己資金で足りるのか、身内から借りられるのか。自己資金が十分あっても、借り入れた方が余裕が持てます。
新規開業時に借りやすいのが、日本政策金融公庫です。開業7年以内の女性、30歳未満の方、55歳以上の方向けの「女性、若者/シニア起業家支援資金(新企業育成貸付)」もあります。しっかりとした事業計画や返済計画が必要になります。融資までの時間が長いので、早めに相談した方がいいでしょう。
自治体の創業融資も、多くの起業家が利用する融資です。地方自治体、信用保証協会、金融機関の3者が協力して行われます。まずは自治体の窓口へ。
日本政策金融公庫の融資と自治体の創業融資はどちらかだけ利用できるというものではなく、両方を併用可能です。

メニューは?美味しい料理が提供できるのか?

美味しい料理
お店にあった、オリジナリティーのあるメニューを提供したいところです。
美味しい食事を提供できるシェフが独立しても、成功するとは限りません。とはいえ、どんなに経営がうまくても料理が不味かったら繁盛は無理でしょう。あなたの料理や、雇うシェフの腕が良いのも大切ですが、誰でも作れるようにしっかりとしたレシピに落とし込むのが重要です。
また、どんな材料を使うのか、原価率なども考えなくてはなりません。

物件探しはどうやるの?

人通り
場所選びはとても重要。オフィス街なのか住宅街なのか、駅から近いのか、近くに他のお店はあるのかなどチェックするポイントは多岐にわたります。
何の内装もされていないスケルトン物件と、前のお店の内装をそのままに借りられる居抜き物件とがあります。
スケルトンは自由に設計できる、居抜きは初期費用や工期を抑えることができるというメリットがあります。

■ インターネットで探す
飲食店の店舗を専門に扱う「飲食店.COM」などでだいたいの相場をつかみましょう。居抜きを専門に扱うサイトもいくつかあります。すでに契約済みの見せ物件もあるかもしれません。

■ 不動産屋で探してもらう
いくつもの不動産屋を巡って、希望の条件を伝えておきましょう。反応の良かった不動産屋に定期的に通えば、掘り出し物が出たときに連絡してくれるでしょう。

■ 実際に希望エリアを歩いて探す
出店したいエリアが絞られている場合、必ず実際に歩いてしらみつぶしに探すことをおすすめします。
ネットや不動産屋でみつからなかった「テナント募集」の張り紙が見つかるかも知れません。物置になっていた部屋を、交渉して借りられたという話もあります。

■ 内装業者に紹介してもらう
飲食店を専門にしている内装業者には、物件の情報が集まっていることがあります。内装を請け負うために積極的に情報を集めていることも。ただし、紹介してもらった場合はそこの業者に内装を依頼することになるでしょう。

仕入れはどうするのか?

野菜
仕入れの金額や安ければ安いほど、原価率が下がり利益が高くなります。
仕入れ業者には、相見積もりをとりましょう。電話帳で地元の卸業者を調べ、相談してみましょう。価格だけでなく品質のチェックも。
毎日届けてもらう業者は楽ですが、仕入れに行く余裕があれば市場や業務用スーパーも選択肢に入ります。メトロ(METRO)などの、会員登録済みのプロでないと入れない食品卸売り市場が近くに無いか調べて、見学できないか問合せしてみるといいでしょう。

八百屋やスーパーでも、特売日などは安く仕入れることができます。農家と直接契約したり、ネットショップを利用したりしている方もいます。

必要な届け出

■ 保健所
出店を決めた段階で、管轄の保健所に事前相談に行きましょう。
細かい条件などが、地域によって違うことがあるので、前もって相談しておくのが何より大切です。

勘違いしている人も多いですが、調理師免許は必要ありません。
絶対に必要になるのが食品衛生責任者。店舗ごとに必要になります。6時間以上の講習を受けると資格が取得できます。栄養士や調理師などはこの講習を受けずに、届けを出すだけになります。

建物の収容人数が30人以上の場合は、防火管理講習を修了して防火管理者を届け出る必要があります。

■ 警察署
0時以降にもお酒を提供する場合は深夜酒類提供飲食店営業の届け出が、スナックやキャバクラの場合は風俗営業許可申請などが必要です。

■ 税務署
個人事業として開業するのか、株式会社や合同会社など法人をつくるのかによって、手続きが変わって来ます。個人の場合は、開業してから1ヶ月以内に個人事業主としての開業届(個人事業の開廃業等の届出書)を税務署に提出しておいた方がいいでしょう。同時に青色申告承認申請書も出しておきましょう。従業員を雇う場合は、給与支払事務所等の開設届出書も。

労災保険や雇用保険、社会保険の加入も必要です。

プレオープンでシミュレーション

プレオープン
オープン前に、身内、友人、工事関係者、その家族などを招待して、実際に接客して料理を提供しましょう。
お披露目と、感謝の気持ちで招待するものですが、本番に近い練習の意味が強いです。
そのため、招待客からはお代はいただかないのがいいでしょう。お祝いやお花は気持ちよく受け取りましょう。プレオープンで気持ちの良い接客ができれば、その後常連になってもらえるかもしれません。
逆にここでもてなす気持ちが足りないと誰も来てくれなくなるでしょう。

そしていよいよ、グランドオープンです。

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